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【読書感想文】書けない理由と対策法をタイプ別に分析【前編】

オンライン国語教室・小論文教室のオトモです!

もう8月も後半。暑い日が続きますね・・・

作文の教室をやっていると、毎年この時期に
「読書感想文の課題が書き終わらない!!」
という相談をいただきます。

東京で塾をやっていた時は、
毎年、夏期講習で読書感想文講座の開講もしていたのですが
苦手意識が強い子、それを心配する保護者の方がたくさんいらっしゃいました。

書けない原因は人それぞれ。

ですが、何人もの生徒さんを見ていると
だんだんとその子に合わせた指導方法がわかってきます。

そこで今回は
読書感想文が書けない原因を4タイプに分けて分析したうえで
それぞれのタイプに合わせた対策法をご提案していきます!

新学期まであと少し。少しでもお力になれたら嬉しいです。

では、いきましょう!

読書感想文が書けない原因①
「あらすじを書いてしまう」

「感想文」なのに「あらすじ」で原稿用紙を埋めようとしてしまう子がいます。

このような作文を書いてしまう原因は、
「本の内容」と「自分の感想」との書き分けができていないことです

手元に本と原稿用紙しかなく、
書くことが整理されていない状態で書き始めるので
「本の内容」と「感想」とが混同してしまうのです。

「何を書くべきかわからない。でも、宿題だから提出しなきゃいけない。」

という手探り状態で焦って書いていると
学校に指定された文字数(だいたい1200字なのですが、書き慣れない子どもにとってはこれが果てしなく多く感じられるようです)をなんとか埋めるため、
とりあえず手元にある本の内容を写してしまう・・・
ということになります。

その結果、感想文ではなく、
本文を切り貼りしただけの、読みづらい要約文が完成してしまうことに。

あらすじを書いてしまう時の対策法

このタイプの子に効果的な対策は「事前にメモを作る」ことです。

私は読書感想文ワークシートを使って指導することが多いのですが、
このワークシートのように、本の内容を理解したあとで
「自分の感想を言葉にしたメモ」を作ってから原稿用紙に書き始めるとよいです。
(メモの作り方や具体的な書き方は次回記事にて説明します。)

メモを作るとなると、お子さんは面倒くさがるかもしれませんが、
実際にやってみると
一度メモを作ってから書くほうが、直接原稿用紙に書くよりも仕上がりが早く、
本を見ながらあらすじを書くよりも書きやすいと気づくはずです。

読書感想文が書けない原因②
「そもそも本を読めていない」

学校で課題図書が指定されている場合、
または、学校の推薦図書で書こうとしている場合などは特に・・・

読めていない、だから書けない

という子が、多いです。

読んだつもりにはなっているけれど、
実際は、目を通したり文字を追っただけで、内容がよく理解できていない場合です。

これは、お子さんの読解力や精神年齢、興味関心が、
本と合っていないことが原因です。

とくにお子さんが幼い場合などは、
学校の推薦書と精神年齢が合わないことがよくあるので、要注意です。

本が読めていない時の対策法

これはできる限り、

「ちがう本を読み直す」

のがおすすめです。

読書感想文は、題材に
自力で読み進めることができて、自分なりに味わうことができる本を選ぶことが大切です。
一緒に図書館や本屋さんに行って、本人に選んでもらうといいです。

大人でも、よく知らない国の言葉で書かれた本や、知識のほとんどない分野の専門書の感想を書けと言われたら嫌になってしまいますよね・・・
子どもも同じで、理解出来ない本を無理に読もうとしても、読書嫌い・国語嫌いを加速させるだけです。

そして、子どもは自分で気に入った本を見つけると、どんどん自力で読み進めて読解力を高めていきます。

そのため、「○年生にしては、子供っぽいかなー^^;」と保護者の方には思える内容でも、
ひとまずはお子さんがひとりで読み進められる難易度の本を選んで、
段階的に読む力をつけていくほうが、結果的には読解力も高まります。

読書感想文が書けない原因③
「こだわりが強くて言葉にできない」

どちらかというと読書家の子にこの傾向があるのですが・・・

「この本が好きすぎて、感想がまとまらない」

という子も、結構います。

好きな本だからこそ、適当な感想は書きたくない。
夢中になって読んだからこそ、それを言葉で説明しようとすると、うまくまとまらない。
感じたこと、考えたことはたくさんあるのに、文面にすることができず、
なやんでいるうちに結局「おもしろかった」しか書けないままペンが止まってしまう・・・・

こだわりが強くて言葉にできない時の対策法

こういう子は、
「豊かな想像力を持ちながらも、それを表現するための知識が足りない」
ケースがほとんどで、
言葉の知識を補ってあげると、大人が読んでも唸るほどのいい作文を書けることが多いです。

対策法としては
大人が対話の中で表現方法や語彙を教えてあげるといいです。
もともと表現欲求が強いので、比較的すぐに言葉の知識を吸収してくれます。

具体的には、

「どんな本だったのか」「どんなことを書きたいのか」を
まとまらない状態でもいいので、本人に口頭で説明してもらい・・・

大人がその内容をメモしたり、
「〇〇ということ?」などと聞き返して、思考のまとめ役をしてあげると、
次第に自分で書けるようになります。

ちなみに、このタイプの子の多くは
感想文よりも物語を書く方が好きで、得意です。


読書感想文が書けない原因④
「感想文コンクールへのプレッシャー」

生徒が書いた読書感想文を「全国読書感想文コンクール」に応募したり、
学内で読書感想文コンクールを開催したりする学校があります。

やる気や自信を持たせるためなのでしょうが、
コンクールに「勝てる」感想文を書こうとして、素直に書けず
ペンが止まってしまう・・・という子も、結構います。

「世界平和」や「リサイクル」のように、社会的なテーマで書こうとして、
かえって自分の考えや感情が伝わらない、没個性的な文章になってしまうことも。

コンクールへのプレッシャーがある時の対策法

このタイプの対策法は
肩の力を抜いて、身近なテーマで書くこと
です。

保護者の方から「入賞できる作文を書かせたいんです!」
と、相談されたことも何度かあるのですが、
このプレッシャーがお子さんに伝わると、逆効果です。

書く前から評価を気にするよりも
「素直に自分の感想を言葉にすること」にのみ注力したほうが、
結局は、読者に思いが伝わり、個性の際立つ、
良い感想文になるからです。

「平和」や「リサイクル」のようなテーマにしても
どこかで見聞きした知識から社会問題を論じようとするよりも、
普段の生活で感じたことをベースに書くほうが、素直に書けます。

まとめ

今回は「読書感想文が書けない」というお悩みについて
原因とその解決法をタイプ別に説明しました。

お子さんや、ご自身に当てはまるケースはありましたでしょうか。

次回記事では
具体的な書き方の提案もしていきますので、

この記事を読んで対策をしても、

「書き方がまったくわからなーい!」

という人はもう少しだけお待ち下さい(^^)

では!