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【コラム】よくある質問にお答えします①〜何歳くらいから国語の勉強を始めるのが良い?〜

久しぶりのブログ更新!
オンライン国語教室・小論文教室のオトモです。

 今回から何回かに分けて、入塾前によくご質問いただく内容についてお答えしていきたいと思います。
初回のご質問は・・・

「オトモは対象年齢が幅広いが、何歳くらいから始めるのが良い?」🤔

です。

オトモでは小学生~社会人まで、年齢を問わず国語・作文の授業を承っています。
しかし、対象年齢が広いからこそ、先延ばしにもできてしまうともいえます。
興味はあっても「今」やるべきことなの?と、迷う方が多いようです。

もちろん、どの年齢の方にも学ぶ意義があると思っているからこそ、対象年齢を広く設定していますし、人によってベストなタイミングは異なると思います。
が、少しでも参考にしていただけるよう、私なりの意見を経験を踏まえて説明していきますので、よろしければご一読ください。

早速、結論から・・・


私は、例えばじぶんの子どもがオトモの受講を始めるなら


小学校中学年くらいが理想
かな〜


と、考えています。
以下、この理由を3点に分けて解説していきます。

 

①思春期前に「考える力」をつけてほしい

この考えは私の子供時代の経験に由来します。
以下、やや長くなりますが失敗談です。。。

私は子供時代、「自分自身で考える力」が弱い子どもでした。
成績は悪くない、勉強も嫌いではないのですが、読書・作文の習慣が全くなく、空き時間はもっぱらテレビを見ているような生活をしていました。
そのためか、教養に乏しく、何事にも受け身な姿勢が板についていた気がします。


小学生として、授業や宿題をこなすだけならそれでもよかったのですが、そのまま思春期に突入したところ、「自分で考えられない」ことが想像以上に大きな問題に繋がっていきました。

例えば、中学生になる頃に学校での人間関係が少し複雑になってくる・・・というのは、多くの人に身に覚えのあることかと思います。
皆が小さなグループをつくって徒党を組んだり、身近な人が陰口を言い合うのを耳にしたり、毎日のように教室でけんかやいじめが発生したり・・・

このような人間関係の複雑化に、生活の変化や日々のストレスが重なったのか
気がつくと食事が摂れなくなり、眠れなくなり・・・あれよあれよという間に心身を病んでしまいました😭
中1の秋には、生死をさまよい入院するまでに😂(これは本当に、大変でした)

しかしなぜ、他のクラスメイトは同じ環境で生活できていたのに、私だけが病気になってしまったのでしょうか。
もともとの気質を含め、さまざまな偶然があるとは思いますが
後から振り返った時、当時の私に「言葉の力」「考える力」が足りなかったことが、大きな要因の1つであったと思い至りました。

というのも、当時の私は、体がうまく機能しなくなるほどのストレスを感じているにも関わらず、
自分が「つらい」ことにも「困っている」ことにも気がつくことができませんでした。

それゆえ、誰かに悩みを相談することも、与えられた環境を変えようとすることもなく、
半ば強制的に入院をさせられるまで、ただ状況を受け入れることしかできていなかったのです。

 

今、どのようなことが起きていて、
自分はそれに対してどんな感情を持っていて、
どう行動すべき(したい)のか。

 

これさえ言葉にできていれば、入院にいたるほどの重症化は避けられたのではないかと思っています。

これを聞くと、
「子どもにまだ考える力がないのは当然、たまたま運が悪かっただけでは?」
と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、決してそんなことはありません。

この仕事をしていると、さまざまな生徒さんから体験談や考えを聞いたり、彼らが書いた作文を読んだりする機会が多くあります。
すると、子どもたちのなかには、年齢を問わず、自分やまわりの状況を客観的に観察する洞察力に優れ、そこから得た自分自身の考えを大切にしながら、日々の生活を送っている子が意外とたくさんいることに気づかされます。

そのような子は、感情や意見を言葉にすることも、他人の発言を自分の考えに取り入れることもできるため、日々のコミュニケーションを通じて自然と思考力を高めていきます。
トラブルが起きそうな時は事前にストレスを回避する方法を考えて行動したり、誰かに相談したりといった対策をとることもできるため、当然メンタルヘルスの管理も上手くなります。

今さらではありますが、子どものうちに思考習慣やそれを表現する力を持てていれば、私も思春期の問題に対峙できるだけの強さが持てたのではないかと思うのです。

一方、この仕事をしていると、当時の私のように、自分のことを言葉にすることが苦手な子に出会うこともたくさんあります。

そういう子であっても、もちろん考えていることや感じていることはあるのですが、
それが言葉として意識の中に顕在化していないので、質問をしても口をつぐんでしまうことが多く、特に複雑で答えが1つでないような問題への返答が苦手なので、なかなか自分の意見を口にすることができません。
また、じっくりと腰を据えて考えることができないため、「ひとまず今を楽しみたい」という気持ちが強くなり、動画やテレビなど、受け身なまま刺激を得られる娯楽に安心感をもとめるようにもなります。
このような生徒さんに当時の自分を重ねては、少しでも表現ができるよう慎重に対話を試みるのですが、言語の習得に積極的ではないため、彼らの言葉を引き出すにはいかんせん、少し時間がかかります。

人が心身を病む原因は様々ですし、もちろんどんな子でも悩み、傷つく場面はあると思います。

しかし、思春期以降の複雑化する人間関係・生活環境の中で、その人らしく生きていくために
自分の考えを言語化し、人に伝えられるだけの思考力、表現力があるに越したことはありません。
そして、思春期の困難を、なるべく親の力を借りずにひとりで乗り越えることが、自信や自己肯定感、将来的な自立にもつながると、私は考えています。


これから訪れる困難を乗り越えるための力添えとして
思春期が始まる少し前までに、「考える力」を備えてあげたい


これが、自身の教訓をもとにした私の願いであり、この国語教室を通じて次世代の子どもたちに届けたい価値でもあります。

②文章を論理的に理解するのには、適した時期がある

「思春期前に思考力をつけた方がいい!」ということであれば、なるべく早く、例えば幼児のうちからオトモの受講をスタートするのが良いのでは?と考える方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、以前のブログでもご紹介したのですが、言葉の論理を理解するのに適した年齢はだいたい10歳前後と言われており、
私の経験からも、論理的な文章を読み解いたり、それを見本にして作文を書いたり・・・といったオトモで定番の学習法は、そのくらいの年齢からの方がより効果的で、楽しんでもらえることが多いように感じています。

ただし、この「10歳前後」には、個人差があるようです。(生徒さんたちをみていると、だいたい8〜13歳くらいに収まっている気はしますが・・・)
例えば、中学受験塾で毎週国語の授業を受けているのにどうしても論理的思考力が育たず、「パターン認知と勘だけで、テストを乗り切っている」という状況を危惧してお問い合わせをくださる小学校高学年の生徒さんが、毎年何名かいらっしゃいます(ちなみにだいたい、男の子です👦)。
このような子だと、中学受験の時期に合わせて急ピッチで国語を学ぶよりは、ひとまずは読書習慣をつけるくらいに学習ハードルを下げ、ちょっと成長期が落ち着いたかな、という中1~中2くらいから国語を集中して学ぶ方が、学習効率は良いように思います。

ちょうど思春期くらいが、国語を学ぶ適齢期になる子もいるということです。
(そうは言っても、どうしても中学受験には間に合わせたい!ということであれば、それはそれでできることはあるのでお問合せください。)

他にも、思春期が適齢期になるケースとして、一見わかりづらいのですが
「自分の考えを文章化したり伝えたりすることに恥ずかしさを覚えてしまう一方、悩んでいることや考えていることを整理する機会を欲している」
という中学生くらいのお子さんが相当数いらっしゃるように感じています。
このような生徒さんの多くは、まさに水を得た魚のように思考法や論理を吸収し、講師との対話や読み書きを通じて表現力と自信を得ていきます。
そんな様子が見られた時には、ああ、思春期にこの教室を受講してもらえて良かったと心から思えます。


反対に、「適齢期」と呼ばれる時期よりも年齢的には幼い子(小学2・3年生くらい)でも、読み書きや論理の習得を貪欲に楽しんでいるケースも見られます。
お子様ひとりひとりの成長速度や興味関心の対象を観察し、受講時期を決めていただくのがベストだと思いますので、お悩みの際はご相談ください。 


③いつでも遅すぎるということはない

 

これまで私の子供時代の経験、講師としての経験をもとに国語の学習を始めるおすすめの時期をご説明してきました。
が、もちろん高校生や社会人では手遅れ、ということはありません。

かくいう私も、中学生までは読書量0・表現力も思考力も0、という感じでしたが、高校3年生の時に恩師とも言える現代文の先生との出会いがあり、読書や作文の習慣ができたことで、自分自身を変えることができました。(そこからの学習で東大に受かっているので、受験的にも間に合ったと言えそうです。)


かなり遅いスタートでしたし、もう少し早めに基礎力をつけたかったという気持ちはありますが、
10代のうちに文章と真剣に向き合う時間を設けられたことは、人生の宝
であり、国語を真剣に学んだ経験が、自分らしい生き方の原点になったと感じています。

自分で考える力も、人に伝える力もない、あの時のまま大人にならなくて本当によかった(^O^)/

という思いが、オトモ運営の原動力にもなっています。
大人になってから受講をされ、「自分の書き方のクセがわかってよかった」「レポートを書くのに迷わなくなった」「仕事や転職活動に役立った」と喜んでくださる方もいらっしゃいます。

読む力、書く力、考える力を人生のおともにするのに、遅すぎることはありません!
思春期を過ぎた方でも、ぜひチャレンジしてみてください💪

まとめ

今回は
「オトモは対象年齢が幅広いが、何歳くらいから始めるのが良い?」
という質問にお答えしました。

おひとりおひとりの現状と重ねながら、参考にしていただければ幸いです。
では!😀