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【読書感想文】ワークシート付き!おすすめの書き方紹介【後編】

オンライン国語教室・小論文教室のオトモです!

前回記事にて、読書感想文を書けない原因と対策方法を説明しました。

理由はわかった、でも書き出せない・・・!!!
という方に向けて、

今回は実際に
オトモ流の具体的な書き方手順をご説明していきます。

では、いきましょう!

用意するもの

  • ふせん(4種類)
  • ワークシート(メモ帳またはノートでも可)
  • 原稿用紙

読書感想文の書き方手順

①読み込む
②本にふせんを貼りながら読む
③ふせんの順位付けをする
④感想メモを作る
⑤原稿用紙に書く

以上です!

おすすめは①からですが
時間がない人は②から始めてもOKです!

①読み込む

前回記事でも書いたのですが、「そもそも本の内容を理解していない」からこそ読書感想文を書けない人は多いです。

時間の許す限り、本をしっかり読み込んでから書き始めましょう!

私が読書感想文講座をしていた時は、
文章を書く前に、
まず生徒と一緒に読み合わせをして、難しい言葉や比喩の意味を確認したり、
要約など記述式の課題を通じて文章内容の理解を深めていました(ワークシート参照)。

自力でそこまで細かいことはできなくても、

  • わからない言葉の意味を調べる
  • どんな話だったか、要約してみる

だけでも、やってみると
理解が深まるのを実感できると思います。

②本にふせんを貼りながら読む

次に、本にふせんを貼りながら読みます

(初読の時からふせんを貼っても良いのですが、
慣れないうちは本の内容に集中するためにも、読む行程と貼る行程をわける方が無難だと思います。)

この際、ふせんを4色にわけるのがポイントです。
たとえば

  • 表現が気になった→ 黄色
  • 登場人物に共感した→ 赤色
  • 大事な場面だと思った→ 青色
  • 疑問を持った→ 紫色

といった感じです!

そこまで厳密に分ける必要は無いので、ここは直感に従ってペタペタと貼っていきましょう!

自分がその本のどんなところに感動し、関心をもったのか知るためのヒントを得る作業です。

(言わずもがなですが、カラフルなふせんを貼るこの行程は小学生の子どもに人気があります。)

③ふせんの順位付けをする

終わりまで読んで、ふせんを貼り終えたところで、好きなふせんベスト3を決めましょう。

ふせんに①②③と数字を書いて、本を閉じた時にもわかるようにしておくと便利ですよー。

④感想メモを作る

さて、ここまでが下準備。いよいよ書く行程に入ります。

と言ってもまだ原稿用紙には書かず、下書き用のメモを作ります。
メモさえ作れたらあとは原稿用紙上に構成をするだけなので、ここががんばりどころ。たくさん書きましょう!

メモする内容は2つ。

  1. ふせんを貼った箇所は、どんな場面か。
  2. その場面の、どこが気になったか。

前回記事にも書いたのですが、感想文を書く際は
「本の内容」と「自分の感想」をわけて考えることが大切なので、
ここは2段階にわけてメモを作ります。


メモ1.ふせんを貼った箇所は、どんな場面か。

ここでは、
本文を丸写しするのでなく、自分の言葉でまとめ直すことがポイントです。

  • 「注文の多い料理店で紙くずのようになった2人の紳士の顔が、いつになってももとに戻らなかったという表現」(宮沢賢治『注文の多い料理店』)
  • 「主人公のメロスが、セリヌンティウスを助けることを諦めて眠ってしまう場面」(太宰治「走れメロス」)

のように
「〜場面」や「〜表現」が文末にくるようにして
自分がふせんを貼った場面を、1〜2文程度で説明してみましょう。

作文が苦手な子、書き慣れていない子は苦労する行程なので、
保護者の方が手伝ってあげるといいと思います。

【メモ1】をふせん3枚分書き終えたら、【メモ2】を書き始めましょう。

メモ2.その場面の、どこが気になったか。

さて、いよいよここからが個性の出しどころ。

自分がそのふせんを選んだ理由や、
そこから考えたこと、感じたことを、言葉にしていきます。

と、言われても自力で表現するのが難しい場合は

下の「アイデアヒント集」の質問に答えみてください。
良い発想が生まれてくるかも・・・

アイデアヒント集

★黄色ふせん

・どんなところが気になった?
・どうしておもしろいと思った?
・他の表現に変えてみたら、どうなるだろう?

★赤色ふせん

・どんなところに共感した?
・自分はどんな時に同じ気持ちになる?
・もし、自分が○○(筆者や登場人物の名前)だったら、どんな気持ちになるだろう?どうするだろう?
・もし、○○(筆者や登場人物の名前)と家族や友だちになったら?
・本に書かれている生活と、自分たちの生活はどこがちがう?

★青色ふせん

・どうしてその場面が大事だと思った?
・その場面から登場人物の気持ちや、考え方はどんなふうに変わった?
・その場面がなければ、このお話はどんな結末になったと思う?

★紫色ふせん

・どうして疑問に思ったの?
・疑問に対して、自分なりの答えを推測してみよう!

これも、ふせん3枚分のメモを作りましょう。

⑤原稿用紙に書く

メモが完成したら、あとは原稿用紙に書き起こしていきます。

初心者におすすめの構成

作文を書き慣れていないお子さんや、作文に苦手意識のある人におすすめなのは、メモを1つずつ順番にまとめていく構成です。

プレゼンやブログ・・・情報を相手にすばやく的確に伝えたい場面で
最もよく使われるベーシックな文章構成なので
覚えておくと便利です。

ベーシックな構成で文章を書くことで、
書き手は論理の飛躍をしづらくなりますし、
読み手が理解しやすい文章になるので、おすすめです。

具体的には

私が「注文の多い料理店」を読んで、特に気になった場面が3つありました。

1つ目は・・・・・
2つ目は・・・・・
3つ目は・・・・・

といった感じで、メモの内容を順にまとめていき、最後に

このように
・・・・

などを使って、全体のまとめを書いて締めると良いです。

メモの内容さえ充実していれば、
構成で個性を出さずとも十分魅力のある文章になります。

上級者向けの構成

いやいや、せっかく書くのによくある構成なんてつまらない!
とことんこだわって、個性的な感想文に仕上げたい!

という人は、

  • ふせんベスト3のうち、どれか1つに内容を絞って書く。
  • いきなり【メモ2】をもとにしたエッセイから書き始める。

という書き方に挑戦してみましょう!

「鏡をのぞくと、いつでも同じ私の顔が映っている。黒い2つの目。その中央には鼻と口。皮膚はつるんとした肌色をしている。
私を構成しているこのバランスが、ある日1つでも崩れてしまったとしたらどんなに恐ろしいことだろう。たとえば、皮膚が紙くずのように硬く、ぐちゃぐちゃになったとしたら・・・・」

                   (宮沢賢治「注文の多い料理店」)

どうでしょうか。

冒頭に本の内容と全然関係なさそうなエッセイが書かれていることで、
物語のような感覚で読み進められる感想文になります。

エッセイは身近な内容を、なるべく具体的に表現するのがコツです。
この構成で、自分の気に入る読書感想文が書けたら気持ちがいいですよー!

まとめ

本日は読書感想文の書き方を具体的に提案しました。

ふせんを手がかりにして、
自分の考えや感想を言葉に落とし込む【メモ2】が最重要行程です!
じっくり取り組みましょうー。

ちなみに私は普段から、
電子書籍以外の本は、ふせんを貼って読むようにしています。

1冊読み終えた後、
ふせんを貼ってある部分だけをもう1度読み返すことで

本の内容について理解が深まるだけでなく

「あぁ、こういう表現が好きだなぁ」
とか
「そういえば、こういう話題に興味があるなぁ」
といった

自己発見のヒントを得られるからです。

ぜひ、お試しください!(^o^)